初心者は老人ホームで働こう
これから介護の仕事をはじめようとしている初心者には、老人ホームがおすすめだ。一般的に複数人で利用者グループに対応するため、専任の場合よりも楽な気持ちで業務に取り組めるだろう。またグループ活動を行うため、利用者に精神的な充実感を与える。それにより、職員への精神的な依存度も抑えられ、職員は仕事がしやすいだろう。
待遇面は、施設規模の影響が大きい。スタッフの人数が多い職場ならリーダー職や教育係が必要となり、昇格なども十分に期待できるはずだ。研修制度や資格支援制度が整っているところも多く、将来的には介護福祉士やケアマネージャーなどになることもできるだろう。その一方で、小規模の施設だと、施設としての収入や人員体制が固定化されやすく、待遇改善やキャリアアップが難しい面があり注意が必要だ。
また老人ホームといってもその種類は実にさまざまだ。老人ホームで働く場合はその種類にも注目して働く職場を選ぶといいだろう。
たとえば「特養」といわれる特別養護老人ホームは、多くのベッドと部屋を備え、フロア単位で介護を行うのが基本である。ユニットを意識してグループ単位で介護に取り組んでいることもある。施設の作りにも気を配られており、施設内に死角がない。そのため業務もしやすいだろう。多くの利用者を複数人で見ることになるため、経験やスキルをもとに作業を分担できる。
有料老人ホームは、施設によってそのサービスレベルがさまざまであるため、働くときは注意が必要だ。特養レベルの場合もあれば、後で紹介する介護老人保健施設のレベルの場合もある。そのため、有料老人ホームで働きたい場合は、転職先を決めるときのコツをしっかり押さえておくことが大切だ。
介護老人保健施設は、病院と在宅の中間施設で、基本的には自分で生活に必要な行動ができる人が多く、在宅復帰に向けたリハビリが主な目的だ。特養よりも介護の必要性が軽く、自分で動くこと前向きな利用者が多いため、スタッフへの負担は比較的少ないだろう。